【ヒロアカ】転生した先は猫人間でした【爆豪】【轟】
第11章 脱出作戦
『っ!』
「めんっどくせー・・・」
オールマイトと戦うオールフォーワンから発せられた言葉は、紬と爆豪を連れてこの場から去れと言うものだった。
イレギュラーな事態にヴィラン側も焦っているのか2人に襲いかかる。
ただ紬が知っているシーンとは少し異なり、ターゲットが2人いることで狙いが定まらず分散するヴィラン達。
『(これは・・・チャンスかもしれない)』
そばで見ているであろう緑谷達なら、この隙を着いて自分の知ってる策とは違う行動をとってくれるかもしれない、と考える紬。
が、あることに気づいた。
『(いや、いくら隙が生まれたとしても結局退路は上空しかなくない?私の脚力じゃまだ勝己ほど高く飛べない・・・)』
「紬ちゃん!お友達になりましょう!」
『っしつこい!!!』
トガヒミコが紬めがけてナイフを振りかざすが持ち前の身軽さで避けつつ頭をフル回転させる。
「まずは女の方捕まえた方が良くないか!?」
「確かに!男先だろ!」
爆豪の方へ向かっていたコンプレスとトゥワイスがバラけていては埒が開かないと気づいたのか、体の向きを変えてやってくる。
『!(よし、来るならここ・・・)えっ!?』
「来い!!!」
次の瞬間、頭上に見えたのは切島を一人でおぶさった飯田の姿だった。
「「「!!!???」」」
突然の思わぬ人物の登場にヴィラン連合も一瞬動きが止まる。
『行って!!!』
紬は何かに気づき大声で爆豪に叫んだ。
「っ!」
壁は破れた、氷結でコースもできた。
本来緑谷と飯田の二人で担いでいるはずだったのに、飯田一人におぶられている切島の姿。
「おいなんだあいつ!?」
「ダメよ!こうなったら女の方を・・・!?」
コンプレスが狼狽え、マグネが紬の方を先に捉えようと振り返るが、そこに姿はなかった。
爆豪はそのまま上空へ飛んでいき、切島の手を取る。
「・・・バカかよ」