第2章 呪われた少女
side.七海健人
「呪われた部屋…ですか」
「ええ。そう言われてるようです」
補助監督が持ってきた書類に目を通す。
2階建ての6部屋あるアパート。
その内の1室が見つからないという怪奇現象。
あるはずの部屋がない…か。
「アパートの住人の方々は、何か不調を訴えていますか?」
「それはないようです」
「行方不明者数は?」
「1ヶ月程前にその部屋の住人が亡くなり、娘さんの行方は未だ不明です」
「そうですか」
「親戚に引き取られたか、あるいは…」
「分かりました」
淡々と質問を終え、任務に赴く。
確認が取れてないということは、
その子が取り残されているかもしれない。
厄介だな。
車を走らせながら、
最悪の事態を想像した。
悲惨な現場にならなければいいが…。
詳細が不明な案件は、
私のような一級呪師に依頼がくる。
今日も与えられた任務をこなし帰宅する
その予定だった。
彼女に出会うまでは…