第4章 安心できる場所
side.七海健人
「…一緒に…寝てもいいんですか?」
「良いですよ」
貴女が安心して眠れるのなら。
名前さんの手を引き、
腕の中に彼女を閉じ込めた。
並んで横になる。
貴女はこんなに小さいのか。
「苦しくありませんか?」
「いえ。とても安心します」
先程まで恐怖で震えていたのは
治まったようだ。
名前さんは、私の胸に擦り寄る。
本当に安心しきっているようで、
私の心も休まった。
「寒くありませんか?」
ブランケットが彼女の身体を包むよう掛け直す。
「…とても…暖かいです」
「そうですか」
私を見上げて、
ふにゃりと笑う名前さん。
貴女の笑顔に絆される。
彼女は私のテリトリーに
易々と入ってきた。
境界線を決めよう。
そうしないと
どこまでも許してしまいそうだ。