第9章 報告
茂「それもそうだな。」
微笑ましそうに笑う要君につられて笑う。
「私ね、初めて好きな人出来たんだ。しかもその人と付き合えて、凄く幸せだよ!優衣は今何してるかな、彼氏出来たとか知ったら怒りそう笑」
茂「これからもっと二口に幸せにしてもらえよ。優衣かー、俺もあいつに会いたいな。シスコンだから怒るかもな笑」
「要くんはさ、優衣から連絡とか来ないの、?」
ずっと聞いてみたかった事を何気なく聞いてみた。
茂「凛は来てないんだろ?なら、俺に来るはずない。凛を差し置いて俺に来るなんてないよ。」
「、、、そっか、、。そーだね。」
(優衣の話をすると、みんなその顔をする。寂しいような、苦しいようなそんな顔。)
茂「凛!!今日は付き合えたっていう幸せな報告だろ?そんな顔すんなよ、二口泣くぞ。」
「あ!そーだった笑 幸せの報告!!」
そんな話をしていたら、扉をノックする音が聞こえる。
茂庭母「入るわね。お菓子持ってきたよ!いっぱい食べてね!」
「わーありがとうございます!美味しそう!!」
茂庭母「凛ちゃん来るから張り切っちゃった!」
なんて言いながら、手作りのクッキーを出してくれた。
「私要くんママの作るクッキー大好きです」
私は久しぶりに食べる要くん母のクッキーに嬉しい気持ちでいっぱいだった。それからは要くんの就職先の話や、小さい頃の話をして過ごし、すっかり外が暗くなったので家に帰った。
その頃、茂庭家では
茂「かーさん、あのさ。そろそろ隠し通すの難しいと思うんだよな。多分薄々凛は気づいてるよ、優衣のこと。」
茂庭母「そーね。私もそう思う。今度マキさん(凛の母)にも伝えてみるわ。やっぱり1人だけ知らないなんて酷だもの。」
茂「俺もそれがいいと思う。家族の事だし、俺ら部外者が教える訳にはいかないから。」
茂庭母「そーね。要は優しいね」
こんな会話が繰り広げられていた。
その後、部屋に戻った要くんは、LINEを開き
【今日は報告ありがとな。凛を頼む】
二口さんにそんなメッセージを送った。
しばらくして二口さんから、
【大事にしますよ。】
って返事が来て要くんは安心したらしい。
そんなこと知らない私は家で、呑気に夜ご飯を食べていた。