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ツンデレな彼を落としたい

第8章 不器用な告白


☆二口side

完全にやらかした。
可愛すぎるからって流石にキスはやり過ぎたと自覚してる。いや、でもあんな可愛い顔されてキスで止まれた俺偉くね。

(あの日凛ちゃんからハグして来たってことは同じ気持ちだって解釈でいいんだよな。質問したけど、知らないって言って逃げられたし。)

あの日の確信が自分の中で揺らぐ。

(悩んでも分かんねー。そもそもどう思われてようが俺の気持ちは変わんねーし、伝えるところからだな)

する事が明確になった俺は、今日告白することに決めた。
余裕もないし、モテそうな彼女に告白するなら早い方がいいと直感で思った。人生で初めてとなる告白に、緊張した俺は柄にもなく、授業に集中出来なかった。

昼休みに茂庭さんの教室に訪れた。
告白した際の結果がどうであれ、報告するべきだと思ったからだ。

「茂庭さん、ちょっといいすか。」

茂「珍しいな、クラスまで来るなんて。部活のことか?」

「いや、部活じゃなくて凛ちゃんの事です。」

茂「凛?」

部活の時とはまた違った真面目な表情になる茂庭さん。

「俺今日告白しようと思ってます。」

茂「え?凛に?まじで!!!
俺てっきりもう付き合ってるもんだと思ってたから、別れるとかの話かと思ったじゃん。やっとかよー。意外と慎重派なんだな、二口は。」

「ていうか、なんで俺の気持ちバレてんですか。」

茂「あれで隠してたつもりかよ。お前口は素直じゃないけど、割と顔は素直だよ。」

「俺口も素直ですよ。ていうか怒んないんすか?」

茂「は?何でだよ、むしろ嬉しいだろ。二口が本気だって分かってるし。それに約束したからさ、親友と。凛が幸せになる日まで凛を守るって。幸せにするのが二口ならいいなって思ってるよ。だから、まー頑張れよ。」

「その親友の人は先輩の近くにはいないんですか?」

茂「うん、居ないな。詳しい話は二口が凛と結婚でもすれば分かるかもなー。」

「茂庭さん。あの、なんつーか、ありがとうございました。色々と。砕けたくはないですけど、頑張ります。」

茂「おう。お前なら大丈夫だろ。わざわざ報告ありがとな。」

報告のつもりが、逆に励まされた。

皆が茂庭さんを慕うのは、その優しさと前向きさで包み込んでくれるからなのだと思った。
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