第7章 相談
☆国見side
早起きした凛がバレーを見に体育館へとやって来た。邪魔にならないようにと体育館の隅で体育座りをする彼女。
彼女の顔を朝イチで見れて柄にもなく心が踊る。でも、よく見ると酷い顔をしていた。寝れなかったのか目の下にクマが出来ていて、顔色もあまり優れていない。
心配で練習どころではなくなった俺は凛に声をかけた。
「凛!どうしたの、こんな朝早くに学校来て。珍しすぎるじゃん。クマできてるよ?」
なんて言えば、眠れなくて早く学校に来たことを教えてくれた。眠れないほどの悩みが何か心配に思いながらも、まずは少しでも仮眠を取ってもらう方が先だと考えた。後になって寝不足で倒れられたら困るから。
自分も部活をサボれるし好都合だと思い、凛の隣に座った俺は自分の肩に凛の頭を寄せ、寝るよう促した。このまま気配を消してずっとサボる計画だったけど、密着した彼女があったかいとか可愛いこと言いながら、目をとろんとさせるから長時間密着するのはまずいなーとか思った。
さっきまで会話をしていたはずの彼女が安心して、隙だらけで寝ているのにはさすがの俺も腹が立った。俺だって男だし。だからほっぺたつついたり、髪の匂い嗅いだり、髪にキスした。これ以上は歯止めが効かなくなるから、しょうがなく練習に戻ったけど。
体育館の隅だからと油断していたらしい。俺の行動全部松川さんに見られていたのだ。あの人妙に大人の色気あるから、凛を好きになられると困ると思い釘をさす。
そんなこんなでいつもの朝練を終える。練習後、及川さんは凛の寝顔撮ろうとしてたし、松川さんはキスして起こそうとしてたが、全て阻止した。皆が校舎へと戻った後も、まだ少しだけ時間があったし、流れていく時間が穏やかでまだ2人だけで居たいと思って起こすのを辞めた。
ハッとして目が覚める。
(やばい、今何時だ、?)
いつの間にか俺も少し寝てしまっていたらしい。隣を見るとまだ凛は寝ていた。さすがに起こそうと体を揺すったが、起きる気配はない。
(まー今起こしても、一限をサボる事には変わりないし、もう少しだけならいいか。)
起こすのを諦めた俺は、寝るといつもより少し幼くなる凛の寝顔を飽きもせず見ていた。