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ツンデレな彼を落としたい

第7章 相談


あの一件のせいで眠れなかった私は、何時もより1時間ほど早く学校へ行く。

昨日、二口さんとキスをした。したっていうか、無理やりされたんだけど。あれから何の連絡もして来ないし、パニックになって走って帰ったせいで、会話なんてほとんど覚えてない。
でも、自分から抱きつきに行ったのは覚えてる。
昨日好きだって自覚したのも覚えてるし、オーバーワークをしてた二口さんを止めたのも覚えてる。
でも、キスまでされたのに告白された覚えはない。

(もしかして、二口さんってチャラいのかな。なんか慣れてたというか。キスしてきた時も余裕あった気がするし。)

遊ばれてただけなのかという結論が出そうなところで学校に着いた。
朝早くの学校が好き。誰もいない教室に朝日が差し込む感じが落ち着くし、誰もいない教室の匂いが好き。
教室の窓を開け、朝の匂いを肺いっぱいに吸い込んだ。

うちの教室から体育館は割と近い。ボールの跳ねる音がする。朝練をする部活なんて男子バレー部くらいだろう。
暇だった私は練習を見てみようと、体育館へ足を運んだ。

体育館に着くと流石に朝ということもあり、及川さんのファンの女の子たちは来ていないみたいだった。
今体育館に入ったら目立つと思い、扉の隙間から覗いてみる。春高予選後も3年生の先輩達が部活に出ていた。1・2年生の指導にあたっているのだろう。

「わっ。凄いな。」

伊達工とは違う練習方法に感動して見とれていると、

?「覗きなんて、エッチ!」

びっくりして肩が跳ねる。

「わ!!あ、あのすみませんでした!」

?「いや冗談よ。気になるなら入って見れば?」

「いやいや!ご迷惑になりますし、」

?「そう?じゃあ迷惑かどうか聞いてあげるよ」

「え、?」

そういうとその人は及川さんに声をかける。

「おーい、多分お前のファンの子なんだけど、練習中で見たいってさ。入れてあげていい?」

及「まっつん? お前が俺のファンの子に声かけるなんて珍しいじゃん。入れてあげていいよ。」

及川さんにまっつんと呼ばれているその人に急いで声をかける。

「あ、あの!私これっぽっちも及川さんのファンじゃないです。」

?「あ、そーなの笑 うちに来る女の子はだいたい及川のファンなことが多いから今回もそーかと思ったわ。」

「いえ。こちらこそ紛らわしい事してすみません。」
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