第6章 春高予選
運命の第3セット目
及川さんのサービスエースにより、点差が開いてしまったが何とか点差を縮め追いかける伊達工。始めに青城が20点台に乗ったが、2点差のところまで追いついた。この勢いのまま逆転できると誰もが祈っていたが、及川さんの巧みなセットアップや岩泉さんの巧みなテクニックにあと一歩のところで敗れてしまった。分かってはいたが、強豪の集まる宮城の春高予選はレベルが高い。
それでも、貪欲に点数を奪いに行った選手達に私は精一杯の拍手を送る。
選手達が挨拶をしに此方に向かってくる。
選手達「ありがとうございましたっ」
お辞儀をして顔を上げた彼らは前だけを見ていた。今回負けたからと言って、誰かが欠けるわけじゃない。今この場で3年生が残っているチームがほとんどの中、新チームでここまで残った彼らはきっと強い。だから私も前を向く。
試合後、荷物をまとめ、帰りのバスへ乗り込こんだ。ついでにと、応援に来ていた3年生達も一緒に。
茂「帰ったら、ブロック練するか!」
鎌「就活のストレス存分に発散してやら。」
笹「俺も部活辞めてから運動不足だし、やるか」
二「、、、ぅっす。」
鎌「おい二口。声ちーせーな。いつもの憎まれ口はどーしたんだよ?」
二「鎌先さんほんと、後輩虐めるのが好きですねー。」
大会後お決まりのエンドレス ブロック練が始まった。
悔しくないわけが無い。でも、皆立ち止まるだけじゃ強くなれないって知ってるから。
一夕一朝で強くならないことを知ってるから。
汗を流し、ひたむきに努力するのだ。