第1章 始まりの春
長い校長先生の話も終わり、クラスでの自己紹介も何とか無難に終わらせることが出来きた。
(これから徐々にクラスの人と打ち明けられたらいいなー、名前は出来るだけ早く覚えなきゃ! 友達作るためにも笑 まずは隣の席の人と仲良くだよね、えっと隣の人の名前は、、、、)
「くにみ あきら、、?」
国 (、、、!)
急に名前を呼ばれてびっくりしたのか彼が私をじっと見てくる
「え、、? わ、私声に出してた、?」
焦る私の姿が可笑しかったのか、彼は少し目を細めて笑って
答える。
国 「声に出てたよ、、笑 急に呼ばれたからびっくりした。凛ってなんていうか抜けてるね」
(え!?いきなり下の名前呼び??もしかして軽い人…?)
私の心の声が彼に届いたのか少し焦った様子の彼が続けて
国 「ごめん、苗字分かんなかったから下の名前で呼んだ。嫌だった? 」
少し不安そうな彼の顔を見てると何だか可愛くて、チャラいんじゃないかって印象も消えていった。
「全然嫌じゃない!ちょっとびっくりしただけで、名前で呼ばれることあんまりないから嬉しい!そのまま凛って呼んで欲しいな!」
嬉しくて食いつき気味にそう答えると
国 「そう。 なら良かった。1年間よろしくね凛」
って彼が言ってくれるから、私も笑顔で答えた。
「こちらこそよろしくね国見くん」って
口数は少ないが、優しくていい人そうな国見くんが私の一番の友達になるなんて、この時は1ミリも思わなかった