第4章 インターハイ予選
☆凛side
インターハイ予選に向けて、いつもより練習に熱が入る。
選手たちに影響され私たちマネージャーもいつも以上にキビキビ動いた。
練習が終わると皆一気に疲れが出るのだろう。すぐには帰らず、体育館に寝そべり少し休憩してから帰る人が大勢だ。
この頃気温が上がり暑くなってきたため、体育館の床は冷たくて気持ちいいのだろう。
選手たちの真似をして何となく私もゴロンと床に寝そべってみた。
(確かに冷たくて気持ちいい。)
選手でも無いのに寝転ぶのはおかしかったかなと思い、ふと横をむくと、同じ姿勢でこちらを向く二口さんと目が合った。恥ずかしくなった私は目を逸らし、二口さんに背を向けた。すると
二 「なんでそっち向いちゃうんだよ。」
なんて言いながらこちらへ近づいてきた二口さんが私の顔を覗き込み、頬をわけも分からずツンツンしてくるもんだから、堪らず私は手で顔を隠した。顔を隠したのが気に入らなかったのか二口さんに手を捕まれ顔を覗き込まれる。
「もう!やめてくださいよっ」
堪らず、恥ずかしさで涙目になりながら抗議した。二口さんは楽しそうな顔で、声を出し笑いながら青根さんの方へと向かっていった。
二(あーかわい。もっといじめたくなんな。)
その様子を見ていた3年生たちが
鎌「なぁ、アイツらできてんのか、?」
笹「さー?でもドラマのワンシーンみたいだったよね。」
茂「たしかに。でも、二口がヒーローとか似合わねぇ笑」
鎌「怒らなくていいのか?大事な従姉妹なんだろ?」
茂「それはそうだけど、後輩の青春の邪魔する先輩とかなりたくねーだろ。」
鎌「違いねーな。」
笹「そうだね。」
なんて会話を繰り広げていた事は誰も知らない。