第2章 バレーボール
☆茂庭side
練習後、笹谷と鎌やんと雑談をしていると、二口が凛に話しかける姿が目に入った。内容までは聞こえないが、普段照れたりしない二口が頬を赤らめ凛と話しているのだ。連絡先でも交換しているのだろう。多分二口は凛に好意がある。好意を寄せられてる本人は気づいてなさそうなのが憐れだけど。
(もし凛が二口と幸せになってくれたら、優衣母との約束も果たせるかな。口は悪いけど二口はバレーに対して真摯に向き合ってるし、モテる割りには浮いた話を聞かない。俺が口出して二口と凛の関係崩したりしたら元も子もないし、今はそっと見守るとするか。)
俺は二人の会話が終わるまでそっと見守った。
そして、終わったタイミングで凛と帰路に着いた。
家に着いてから、何気なくスマホを見ると二口から連絡が来ていた。珍しいなーなんて思いながら、確認すると
二【練習お疲れした。疲れて忙しい時にすんません。
俺凛ちゃんと連絡先交換しました。先輩の大事な従兄弟なんで一応報告。】
メッセージを見てめちゃくちゃ笑った。多分今年1笑った。
これだから憎めないんだよな、あいつ意外と律儀だわ笑
この様子だと二口も凛を好きって自覚してる訳じゃなさそうだ。でも、大事な後輩と従兄弟が仲良くしているのを見て嬉しくないはずがない。
あー、優衣なら怒るかもだけど、始まりそうな凛の青春を一緒に見たかったなと思った。
これを機にまた楽しそうな凛の姿が見れればいいんだよ。抜け殻みたいな中学の楽しくなさそうな凛を見てるのはしんどかったから。
もう一度律儀な後輩のメッセージを読み返して笑った後に、練習の疲れもあり、眠った。