第13章 偵察
2度目の春
私はこの春2年生になった。国見くんと芽衣も同じクラスだった。2年生は修学旅行があるから、仲のいい人がいるだけで安心するよね。
そして、堅治くんと青根さん達は3年生になった。来年も次の試合も無い学年に。負けたらそこで終わりって分かってるから、練習がいつも以上にピリついている。
要くんや鎌先さんは卒業してからというもの仕事で忙しいみたいで、昔のようにひょっこり顔を出してはくれない。それが少し寂しくて、心細い。逞しい先輩の影に隠れていたけど、先輩が居る安心感ってすごい
……でもね、知ってるんだ。春高予選で新体制での試合だった事がどれだけ自信に繋がるか。あの頃は、ちぐはぐなチームだったけど、他のチームより早く新体制で正式戦を行えた事は私たちの強みだって思ってる
それに、うちには努力家なキャプテンがいるから。元3年生の先輩達が言ってた、堅治くんは有言実行するやつだって。私も信じてる。春高予選からより強くなった鉄壁を信じてる
インハイ予選までの期間、強豪校のデータを集めたくて独自に各高校を訪問する事にした。行こうと思ってる学校は烏野、白鳥沢そして青城。どこと当たるか分かんないから徹底的に調べたい
6月にはもうインハイ予選だから、すぐにでも行動しなきゃ
私の通う高校でもある青城のデータから取る事にした私は国見くんに声をかける
「国見くん!また、部活見に行ってもいい、?」
国「いつでも来なよ、凛なら大歓迎だから」
「ありがとう!早速今日お邪魔してもいい?」
国「いいに決まってる」
「ありがとう」
国(彼氏と別れてうちのバレー部で気になる奴出来たとか、?いや、考えすぎか…)
芽「ねー、なんで青城のバレー部なの?」
休憩時間芽衣がこっそり聞いてきた
「インハイ予選に向けて強豪校のデータ集めておきたくて。」
芽「そーだった、凛がマネージャーしてる高校も強豪だもんね。それって彼氏のため?」
「それもあるけど、頑張り続けてる皆のために何かしたいって気持ちが一番かな、彼氏も含めて。皆の努力が報われるように少しでも手助けしたいんだ」
芽「そっか。マネージャーの鏡だね」
柔らかく笑う芽衣
「ありがとう。他にも集めたいデータの高校が2校あるから大変だけど、頑張る!」
芽「他校か、かっこいい人いるかな!」