第6章 主人公と脇役
「波さんなんですかこの怪我は、、、」
「ひ、ひいいい、、、すすいません不注意でした。」
今私はしのぶさんに体の点検をしてもらってるところで、昨日の怪我がバレたところだった。
「まあ何があっったかは聞きませんけどほんとに気をつけてください。最近怪我し過ぎですよ。」
「はい、すいません」
しのぶさんが心配してくれてるのはよくわかる
「それに波さんは自分のことを視野に入れなさすぎですよ」
そういったしのぶさんも自分を大切にしてほしいと言いたかったが私が言ってしまうのは違うので口をつぐんだ。
「ありがとうございました!」
私は蝶屋敷を後にした。
「そういえばもうすぐ錆兎の命日か、、、。区切りをつけなきゃね」
私は鱗滝さんの元へ向かうことにした。
コンコンコンッ
「鱗滝さーん!いますか?お久しぶりです波です。」
私は3年ぶりに鱗滝さんの家を訪れた。
ドタドタドタッ
慌ただしい足音が奥から聞こえた。
「あ!鱗滝さんお久しぶりで、、、」
私が話終わる前に鱗滝さんは私を抱きしめていた。
「よく、よく生きていてくれた、、!」
その瞬間何か張り詰めていたものがはち切れたように涙が流れた。
「うぅっ!会いたかったですっ!」
私達はしばらく抱きしめあって中に入った。
「もう錆兎と真菰が死んで四年近く経つんですね。」
「一体あれからどうしていたんだ。あの日お前が帰ってこなくてきっと死んでしまったのだろうと思っていた。だが一ヶ月後頃にお前が生きていると報告を受けどれだけ安堵したことか。」
「あれから私がどうしてたか聞いてくれますか?」
私はあれからのことを事細かく話した。
「私は結局手鬼も殺さなかった。本当に弱くて情けない。」
「心配するな。あの鬼はもうお前の後輩が首を切った。それに復讐に心を委ねるな。お前のために生きなさい。」
そんなことわかってるでも、できない、私から復讐をとったら今にも形が崩れてしまいそうになる。誰かに聞いて欲しい。
「波、話したいことがあるんじゃないか?」
その言葉を聞いた瞬間私は口を開いていた。
「鱗滝さんは転生って信じますか?」