第6章 主人公と脇役
俺と波が互いに弱みを打ち明けた日の夜俺たちは2人一緒に眠った。
「グゥ、ヒュー」
波は泣きすぎたせいか鼻が詰まっていた。
「ありがとうなァ、お袋のこと、」
俺は眠っている波の横で聞こえないくらいの声で呟いた。
コイツは何か俺と似ている。境遇だけじゃなく根っからの部分が、だがコイツには俺みたいになってほしくない。大切な妹のような存在だから。
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波said
太陽の光が障子から入り込んでいる。
「おい、起きろォ。いつまで非番気分でいるつもりだァ。」
うっすら目を開けた瞬間太陽の光に目が開けれなかった。
「まぶしぃ。眠い。あと5分だけぇ。、、グゥ」
再び私が眠りにつこうとした瞬間とてつもない空気感と共に何かがへし折れる音がした。
バキバキッ
「⁉︎」
その音にびっくりして目を開けるとそこにはフライパンを真っ二つに曲げた師範がいた。
「オイ、今すぐ起きねぇとお前の刀もへし折るぞォ。」
血管を浮き出させた顔の師範の形相を見た瞬間私は飛び起きた。
「顔洗ってきまーーーーす!」
(お、おっかねぇ!殺されるかと思った、)
「師範ー顔洗ってきましたー。」
私は顔を洗い終えて師範の元へ行った。師範はすでに朝食を使っておりもちろん私の分も作ってくれていた。
「いただきます。」
私たちの朝はいつもこうして始まる。任務とかで帰ってこない日とかもあるけど大体は一緒に食べている。
「師範今日私午前は非番なんでしのぶさんのとこに定期検診に行ってきます。」
こうして今日何をするか毎朝伝え合うのだ。
「そうかァ。ついでに胡蝶にこれを持っていってくれェ」
そう言って渡されたのは一枚の封筒だった。
「わかりました!師範は今日任務ですか?」
私がそう聞くと師範は「あぁ、だが今日は帰ってこれねぇ」そう言って食事を終わらせてすぐさま出て行った。
「あ、隠しさんがくるまでに食器洗わなきゃ!」
ドンドンドン!ドンドンドン!
誰かが強くドアを叩く音がした。
「はーい」
私は玄関へ向かった。