第5章 トラウマ
私は桜と別れた後目覚めた。私の目には包帯が巻かれているようで何も見えなかった。
「起きたんですね。」
女の人の声がした。
「あの、ここはどこですか?鬼はどうなって、」
私が女の人に問いかけるが返事はなかった。
「あの、、」
ボソッ
女の人が何か呟いた。
「あ、なんて、、」
今度はハッキリ私にも聞こえる声で言った。
「そのままあんたなんか死んだら良かったのに。」
「もしかしてゆかりさん?何であんなことをしたんですか。」
私が尋ねると静かに答えた。やはりゆかりさんだったようだ。
「アンタなんかが生きているせいで狂ったのよ、全て。私が実弥の奥さんになるはずだったのに!あんたみたいな邪魔者がいるから!」
もしかすると本編で戦いが終わった後の不死川さんの結婚相手はゆかりさんだったのかもしれない。それが私が存在してしまったから、、、でも、
「そんなの知らないよ、勝手にすればいいでしょ、」
私の態度に怒ったゆかりさんは私に飛びかかって首を絞めてきた。
「うぅっ!カハッ!や、めて!」
「死ねよ!死ね!お前なんか存在しなければ!」
確かにそうだとも思う。私がここにいる意味はない。もしかしたら明宏さんも恵理子さんも私がいなかったら死ななかったのかもしれないし、知恵さんだって私に殺されることもなかっただろう。でもこの世界で私は生きていくしか道はないんだ。
「何してるんですか!」
しのぶさんがゆかりさんに気づいたようだった。
「おいテメェ松島なにしてんだァ」
しのぶさんと一緒に師範もいたようだった。
「ゴホッ!し、死ぬかと思ったぁ。」
「大丈夫ですか!波さん!」
「はい何とかですけど。助けていただきありがとうございました。すみませんちょっと今状況が分からなくて説明してくれませんか?」
私がしのぶさんに頼むと順を追って説明してくれた。
やはり私の首を絞めていたのはゆかりさんだった。それを見つけた師範が取り押さえて今は別の部屋に連れて行かれたらしい。