Another sky 〜それぞれの空の下〜【気象系】
第10章 それぞれの空の下
俺は広野からの通話を切り、部屋の前に行った
そしてドアを必死に叩いている潤の腕を抑えた
潤「智兄さん…?」
智「翔くん…今広野から連絡があって、この病気の特効薬が出来たってさ…」
和「えっ…じゃあ…」
智「うん…翔くんの病、治るって」
翔「…何で…今さら…何でもっと早く出来なかったんだよっ…そうすれば雅紀は…っ」
…そう言うだろうと思ったよ…
智「翔くん、ここ開けて。病院に行って治療しよう」
翔「行かないっ!俺は雅紀と…!」
智「特効薬がこんなに早く出来たのは、雅紀のおかげだって言ってたらしいよ」
翔「…え…?」
智「雅紀が先生に『俺の血でも細胞でも、何でも使って良いから薬を早く作って下さい。そうすれば、こんな苦しい思いする人が少しでも減らせるから』って言ったんだって。その雅紀の協力があったから、早く出来たんだよ」
翔「雅紀…が…」
俺の話を聞いて、明らかに翔くんの声が泣き声に変わった…