Another sky 〜それぞれの空の下〜【気象系】
第10章 それぞれの空の下
俺は直ぐ様客間に行き、部屋のドアを叩いた
智「翔くんっ!ここ開けてっ!」
翔「…ごめん…」
智「何で治療しないんだよっ!今ならまだ間に合うから…!」
翔「…このまま…治って元気になっても…もう…雅紀はいないから…」
智「翔…くん…」
まさか翔くん…雅紀の後を追うつもりじゃ…
すると俺の横から突然手が伸びてきて
〈ドンッ!〉
腕の主、和也がドアを激しく叩いてきた
和「翔兄さんっ!いい加減にして下さいっ!」
智「か…和也」
翔「…ほっといてくれ…」
和「こんな事して雅紀兄さんが喜ぶとでも思ってるんですかっ!?私達に感染させたくないからと言って、黙ってこの家を出たくらいお人好しの雅紀兄さんですよっ!?そんな自分の事より人の心配ばかりする雅紀兄さんが、大事な翔兄さんが苦しんでるのを見て、喜ぶ訳ないでしょ!」
そう叫びながら、和也は泣いていた…