Another sky 〜それぞれの空の下〜【気象系】
第9章 別れ(3)
フラフラと歩きながら雅紀が寝ている部屋に行き、静かに中に入った
そのまま雅紀のベッドに近づくと、薬が効いてるのか先程より多少は呼吸が落ち着いているようだった
でも、やはり苦しそうで…
嘘だ…雅紀がいなくなるなんて…
そんな事あるわけないんだ
翔「…雅…紀…雅紀…」
俺は雅紀の手を握り、ひたすら雅紀の名前を呼んだ
すると微かに雅紀の手が動き
雅「翔…ちゃ…ん…」
翔「雅紀…」
雅紀がうっすらと目を開けた
雅「…ごめ…ね…」
翔「…え…」
雅「また…泣かせちゃ…た…」
翔「…雅紀…」
そう言って微笑んだ…
嫌だ…雅紀がいなくなるなんて嫌だっ!
翔「…雅紀…俺の事抱いて…」
雅「…え…?」
翔「雅紀は何もしなくて良いよ…俺に任せて…」
雅「だ…駄目だよ…そんな事したら…翔ちゃんに感染っちゃ…」
翔「良いよ…感染っても…」
雅「翔ちゃ…」
そうだよ…初めからこうすれば良かったんだ…
そうすればずっと…雅紀と居られる…