Another sky 〜それぞれの空の下〜【気象系】
第2章 語られた過去
翔「…俺もはっきりとは覚えてないんだ…記憶に残ってるのは、俺が3歳位の時に女性に手を引かれて郊外を歩いていた事…」
和「もしかして、その女性が翔兄さんの母親…」
その事には俺は頭を振り
翔「…解らない…でも多分違うと思う…」
和「えっ?何故ですか?」
翔「俺…その女性から逃げたんだ…」
和「えっ…逃げたって…」
翔「手を引かれて歩いている時、その女性が俺は怖くて…隙をみて逃げ出したんだ…この絵本を握りしめて…」
あの時の記憶は殆ど残ってないけど、あの恐怖だけは今でも覚えてる…
あの人が怖くて怖くて…捕まったら殺されるんじゃないかと思って、必死に走って…
和「それで…逃げ切ったんですか?」
翔「なんとかね…神社の床下に逃げ込んで息を潜めてた…雪の降る中、寒さに震えながら何時間もね…」
和「じゃあ、助けてくれたのが松本のご両親…」
翔「…もだけど、正確には潤…だな」
和「…え?じ、潤くんが?」