Another sky 〜それぞれの空の下〜【気象系】
第9章 別れ(3)
それから暫くして、会長が手配してくれた医師が看護師と一緒に来た
俺達にリビングにいるように言って、雅紀の診察に行った
そして診察を終えた医師から
「…大変申し上げ難いのですが…雅紀さんはすでに重症化してます…今ああやって起き上がって話が出来るのが不思議な程です…」
そう告げられた…
智「先生っ…何とかならないんですかっ?」
「こちらも最善は尽くします…とりあえず今出来るのは、この特効薬を毎日点滴にて投与します。それで進行はある程度抑える事が出来る筈です」
和「それで重症化は抑えられるんですか?」
すると医師は顔を左右に振り
「進行を遅くする事は出来ると思いますが、重症化を抑えるまでは…」
潤「それじゃあ雅紀兄さんは…」
「可能性はゼロではありません。進行を遅らせれば、その間に新たな特効薬が出来るかもしれません」
それに賭けるしかない…
雅紀は大丈夫…大丈夫だ…
俺は自分にそう言い聞かせた…