Another sky 〜それぞれの空の下〜【気象系】
第8章 別れ(2)
雅「…しょ…」
俺に向かって一瞬手を伸ばしかけたが、直ぐに腕を引き、また背中を向けて
雅「…何しに…来たの…?」
翔「…お前に会いに来たに決まってるだろ?」
雅「俺は…会いたくないよ…お願いだから…帰って…」
翔「俺には感染らないよ…」
雅「…え…?」
俺がそう言うと、雅紀は身体を反転させてきた
翔「別の感染症用のワクチンが、この病気にも有効なんだって…だから俺達皆、そのワクチン打ったから大丈夫だよ。それに、この感染症は空気感染はしないって。体液等からは感染するけど、肌に触れる程度では大丈夫だってさ」
雅「ほ…んとに…?」
翔「…うん…」
…全てが本当じゃないけどな…
でも、こうでも言わなきゃ、コイツは人の事ばっかり気にするからな…
翔「全く…急に何も言わずに居なくなるなよな…皆心配するだろ」
雅「ごめんね…皆に感染…させたくなかったから…」
だろうと思ったよ…
ホントお人好しなんだから…
…雅紀らしいよ…