Another sky 〜それぞれの空の下〜【気象系】
第6章 再会(4)
潤「もし翔兄さんが誘拐されず、櫻井コンツェルンの長男としていれば…翔兄さんは進学を諦めてまで働かなくて良かった…俺の為に要らぬ苦労かけなくて良かったんだ…」
雅「潤…それは違う…翔ちゃん言ってたじゃないか。お前がいたから頑張れた…潤が翔ちゃんの生きがいだったんだって」
潤「…でも…それでも翔兄さんが苦労してたのは変わらないよ…」
そう言って潤は持っていた翔ちゃんの絵本をそっとテーブルに置いた
父「…それは…」
潤「翔兄さんが大切に持っていた絵本です。神社で翔兄さんを見つけた時、この絵本を握りしめて泣いていたそうです。翔兄さんに…渡して下さい…」
そして潤はスッ…と立ち上がり…
潤「…帰ろう…雅紀兄さん…」
雅「潤…」
潤…お前も辛いだろうに…翔ちゃんの為に…
俺も立ち、そのまま帰ろうとしたら
父「本当に…それで良いのかい?」
雅「…え…?」
父「君達は翔と一緒に帰る為に来たのではないのかい?」
潤「櫻井…さん…」