第6章 再会（４）

父「そんな中、翔が事故で行方不明になったと聞き、なんとか大野グループより先に翔を見つければ取り戻せると思い、必死に探した…そしてやっと見つける事が出来たんだ…」

雅「待って下さいっ…という事は、お父さんもお母さんも…翔ちゃんが俺達と兄弟として一緒に暮らしてたの知ってたんですか！？」

潤「雅紀兄さん…」

父「…知っていたよ…知ってて翔には何も告げず、ここに連れてきたんだ…」

雅「そんな…俺達がどんな思いで翔ちゃんを探したと…っ！」

潤「やめてっ雅紀兄さん！」

雅「えっ…じ、潤…」

何で潤が…

翔ちゃんが行方不明の時、１番必死になって探してたのに…

潤「…一緒だよ…俺達と…櫻井さんはもう何十年も翔兄さんを探し続けて…やっと翔兄さんに出会えたんだよ…」

雅「潤…」

父「・・・」

潤「俺…ずっと思ってた…翔兄さんが松本に来なければ、あんな苦労しなくて良かったんじゃないか…って…」

そう言っている潤の瞳から、ひと筋の涙が流れ落ちていた…