Another sky 〜それぞれの空の下〜【気象系】
第4章 再会(2)
〜翔side〜
『…翔…ちゃん…』
…あの人は誰なんだろう…
俺の事をあんなに切なそうに見つめて…
母さんは別人だって言ってたけど、とてもそんな風には見えなかった…
それに俺も…あの人の事を思うと…胸が締め付けられる様に苦しい…
「翔…翔っ」
翔「えっ…な、何?母さん…」
さっきの人の事をずっと考えていたら、突然車の隣に座っていた母さんから声を掛けられ驚いた
母「翔…あなたが気に病む事はないわ。彼はあなたとは関係ないのだから」
翔「でも母さん…あの人は俺の事『翔ちゃん』っていってた…もしかしたら俺が記憶喪失になる前に出会ったのかも…」
母「もし仮にそうだとしても、あなたとは住む世界の違う人よ。あなたは『櫻井コンツェルン』の後継者なのだから」
翔「それこそ俺には…」
俺は『櫻井コンツェルン』を継ぐつもりなんかない…
記憶のない俺には、どう考えても無茶な話だ…
それに俺には…そんな事よりもっと大切な何かがある…
ずっとそう思っていた…