Another sky 〜それぞれの空の下〜【気象系】
第3章 再会(1)
まさか…本当に…夢じゃないよね…
車イスに乗り、角度的に顔が少ししか見えないけど…
あれは翔ちゃんだ…
暫くして翔ちゃんは俺に気付く事なく動き出していた
だめだっ!翔ちゃんが行ってしまうっ!
俺は病院内だということを忘れ、慌てて駆け出し
雅「待ってっ!」
車イスの手押しハンドルを握りしめていた
「えっ…」
俺が強く車イスを引いた事で、驚いて振り返った顔は間違いなく…
雅「…翔…ちゃん…」
やっと…やっと出会えた…やっぱり生きて…
「…あの…どなたですか…?」
雅「…え…?」
どなた…って…
雅「翔…ちゃん…何…言って…」
「確かに俺は翔ですけど…あなたは?」
雅「俺…俺は雅紀だよっ翔ちゃんっ!」
「雅…紀…?」
何で…何でそんな不思議そうな顔してるの?
「翔?どうしたの?」
「あ、母さん」
えっ…母さん…?
翔ちゃんが見つめる方向を見ると、俺の知らない女の人が近付いてきた