第15章 再会から
オラは眠っている夫婦スニッファーを起こした。オラより体が大きいから、無理に起こしたら怒られると思ったけど、鼻をフンフン鳴らすだけで特になんともなかった。
そうしてオラたちは、さんだーを先頭に通気口を進んだ。足が六本ある割には歩くのが遅いスニッファー親子を後ろに結構時間はかかったが、トーチフラワーの種を使って上手く誘導したらなんとかなった。
研究所を出て身を隠せそうな森に入った時、ようやくそこから来た道を振り返ってみた。
そこには大きな建物が建っていたんだけど、なぜか火が広がっていてオラはびっくりした。何も言えないで突っ立っているとサンダーが声を掛けてきて、どうしたんだと聞いてきた。
オラはサツキの話をしようと思ったけど、確かサツキは遠くからここに来ていると言っていたし、今は夜だから居ないはずだと思って何も言わなかった。サツキは無事なはずだ。なんで研究所が火事になっているかは分かんないだけどね。
「行こうか、さんだー、スニッファー」
オラの言葉に、さんだーは片前足を上げて賛成し、スニッファー親子は相変わらず鼻を鳴らすばかりだった。
そうしてオラはスニッファーたちと一緒に研究所から脱出した。その後いつも通りの生活が戻ったが、サツキがどうなったかオラは知らない。