第1章 初恋は破綻する。
「硝子さん!!五条ですよコイツ!!」
悟を指で指しながら、涙目で恨みのこもった目で硝子に訴える。
「うん……知り合いだったの?」
硝子はびっくりした様に、自分の腕に絡んでくるゆらと、悟を交互に見ながら聞いた。
「小学校が一緒だったんだよねぇ。
それにしてもゆらちゃん強くなったねぇ。
呪いに憑かれても、『漏らさなく』なったんだね。」
悟がニコニコとゆらに話しかけてきて、その内容にゆらの顔はさらに青くなる。
「……漏らす?…」
硝子が同情した様な目でゆらをチラッと見た。
その硝子の目線に、ゆらの体は震えてきた。
「なんで言うかなぁ!!」
記憶から消したい黒歴史を硝子の前で暴露されてゆらは泣きながら悟に怒鳴った。
「僕心配してたんだよ、濡れちゃった体拭いてあげようとしたのにゆらちゃん泣きながら逃げちゃって、それっきりだったから。」