第2章 狂夜に憂う月
やがて夜も更けて未明の頃…
「…お前は本当に、なのか…?生きているのか?」
その声も身体も、酷く震えている。
「当たり前じゃない!私は、はちゃんと生きてる!!」
薬売りは正直、今もまだ夢を見ているのではないかという感覚に襲われた。
「…死ぬな!!死なないでくれ…!」
「何言ってるの…死ぬわけ無いじゃない。」
「…っ…!」
薬売りは再びの胸に顔をうずめ、心音と呼吸を確かめる。
しっかりと、確かに聴こえる。
それはだんだん、早くなっていた。
薬売りは激しく息を乱しながら、またの胸から腹にかけて顔を擦り寄せたり、撫で回したりを繰り返し、覆い被さるように強く抱き締めて来た。
何度もの名を呼び、その温かい肌を寸分も余さず撫で、全身に口づけを落としていく。
それから薬売りは、の首の後ろに腕を回してその上半身を抱え込み、深く口づけて来た。
「んっ!?ふぅっ、んぅぅっ…!」
その状態で突然、まだ潤いの足りない蜜壺を、一度に三本の指で容赦無く掻き乱され、表情が苦痛に歪む。
はたまらず薬売りに縋りつくと、勢い余って頭巾が滑り落ち、淡い金糸の髪がの肌を擽った。
しかしは、薬売りの全身がいまだ震えているのを感じて、それ以上は一切の抵抗をしなかった。
何としてでも、この想像を絶する恐怖を消し去りたい。
今そこにいるは間違い無くであって、確実に生きている事を身を以て確かめたい。