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依々恋々 -Another story(under)-

第9章 aphrodisiac-媚薬-


リビングのソファで興味深そうに小瓶を転がして眺めるジウ。
てっきり「馬鹿げている」と一蹴するものだと思っていたが、どうも反応が違う。

「何だ、興味あるのか?」
「え?うーん、」
悩ましげに小瓶を見つめるジウを抱き寄せる。

「使ってみるか?」
「でも、ちょっと怖いよ」
思っていたよりもいい感触に、おやおや、と口角があがる。
「俺だけ飲むか?」
「でも、シャンになにかあったら...」
「じゃあ、半分ずつ飲むか」
一日のうちに一回だけ、と書かれているラベルをなぞる。
容量の半分なら、と、興味を示すジウ。


小瓶を取り上げて開封すると、甘い匂いが漂う。
「バニラエッセンスの匂いがする」
よくわかるな、と半分を飲み下す。
「おいしい?」
「甘ったるい」
少しとろみのあるそれは、はちみつのように口内でその甘さを残す。
ワクワクとしているジウに小瓶を渡す。

残りを飲み切ってしまうと、んー、と考え込む。
「何か、変わった?」
そんなすぐに効くものか?と蓋を閉めた瓶をローテーブルに置く。
ラベルに書かれた製造元を携帯で検索してみると、海外の製薬会社で一応、まともな薬を作っているようだった。

「少しでも様子が変わるようなら言うんだぞ」
「それってえっちな気分になったらってこと?」
それもあるが、と腰元を抱き寄せる。
「ひゃんっ!」
ん?とジウを覗き込むと、ぱちくりと目を見開いて、口元を手で覆う。
「ジウ?」
そうっと背中を手で優しく撫でると、ふぁあ、と蕩けた吐息を出す。

(へぇ)
ニヤリ、と歪む口元。
テーブルに携帯を置き、つ、と指先で首筋の素肌を撫でる。
「やんっ」
首を竦めて震えるジウにゾクゾクする。
感度のいいジウの反応に興奮するいつものことだが、こんなにも熱を上げられるのは初めてだ。
一瞬で硬くなって疼き出したソレに、効いている、と自覚する。

「ぁっあっシャンっ!」
潤みの増した瞳で見上げるジウを抱き上げ、早足に寝室へと向かった。
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