依々恋々 -Another story(under)-
第8章 BathRoom
「ん、」
ゆっくりと瞼を開けると、酷く体がだるい。
風邪でもひいたんだろうか、と身動ぐと、🌸、と大好きな声。
「シャン、」「悪い、無理をさせたな」
髪を撫でる温かい手に微睡む。
「🌸、水、飲めるか?」
水、と聞いた瞬間、全身がそれを求めて、うん、と起き上がる。
「えっと、」
彼が好む少し硬めの水を一口飲み、隣に座ったシャンクスを見上げる。
「風呂場でヤッて、気失ったんだ」
「...あっ」
かあっと熱が集まる頬に、冷たいボトルをあてる。
「ごめんな」
「いや、あの、うん。ご迷惑おかけしましたっ」
ひゃあ、と思い出して目を瞑ると、長い腕に抱き込まれる。
「風呂場でヤるのは、うちだけにしよう。こっちじゃ狭すぎる」
「...いや、お風呂場でしなければいいだけでは?」
んー、と目線を逸らすシャンクス。
「なに、その反応」
「いや、風呂場でヤるのは、割と嫌いじゃなくて、だな」
抱き込んでユラユラとからだを揺らす。
「なんで?」
ちょっと悩むような仕草を見せ、口を開く。
「後ろからでも鏡に🌸のイイ顔が写るから、すげぇ興奮する」
んなっ、と引きかけていた熱が戻る。
「あと、声が響く」
えっちさが増す、と宣うシャンクスの腕から逃げ出す。
「ほら!言ったらそうやって嫌がるだろっ」
「当然ですっ!ッハ」
振り返る🌸。
「え、待って。一緒にお風呂入りたがるのって、あわよくばそのまま、とか」
「ソレ以外にあるか?まぁ、単純に🌸の体が見たいってだけの時もあるが」
「いや、『身体が見たい』と『シたい』はもう同義でしょ?」
「毎回ってこたないだろ?ちゃんと我慢してる日もある」
どうだ褒めろ、とばりに言うシャンクスに、いやいや、と手を振る。
「『お風呂場では』ね!?何もなく夜を過ごしたのなんか数えるほどしかないですよっ⁉」
月のものの日以外、と記憶を手繰る🌸。
「早く子供できるといいなぁ」
避妊はとっくにしてないのに、と🌸の腹を擦るシャンクス。
「話をすり替えないっ!」
「早く来いよ、待ってるかなぁ」
「話を聞きなさいっ!」
「できれば娘がいいぞー」
「知らんがなっ」
本当に、早く来てほしいのに。そうなれば、偶に孤独を襲う幽かな不安も消えるのに、と呆れている🌸を強く抱き寄せた。