第4章 “頂の景色”
『わっ、わっ、わっ!』
ガタンッと立ち上がり封筒を受け取ると、それを胸に抱きしめる。
「それね、名前聞き忘れちゃったんだけど、黒髪で背の高い男の子に頼まれたの」
『わァ〜…!!』
「はあ…騒がしい……語彙力ちいかわかよ」
視線を向けると、隣のたんぽぽに盛大なため息を吐かれてしまった。え、今この人ちいかわって言った?
チラッと感じ悪い目線を向けてくるので、うるさくしてすみませんと謝ると、たんぽぽメガネは小馬鹿にしたように小さく鼻で笑った。
「別に大丈夫ですけど、あまりに語彙力がなさすぎてこの高校にどうやって受かったのかなと思いまして。もしかして、替え玉ですか?」
『初対面、…でしたよね?』
思わず喧嘩腰な声が出てしまった。
「ソーデスネ」
『………』
少しの間睨み合っていると、ガタガタガタッと音をさせながら慌ただしく男の子が駆け寄ってきた。