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A THOUGHT TO TELL(テニプリ 忍足侑士)

第1章 1


叶弥 はそう言って、忍足を見る。

ずるい賭け。

これで告白せずに、忍足の私に対する態度が分る。

忍足がどんな事を言っても、友達の関係は崩れたりしない。




「俺は・・・ 渋希 ならええよ」

「え?」

「せやから、 渋希 なら付き合ってもええよ、て」

「あ、りがとう。そう言ってもらえると嬉しい」



叶弥 は、忍足の意外な答えに驚いたけれど。

そう言ってくれた忍足の優しさが嬉しくて。

素直にお礼の言葉が口から出た。

よかった、私嫌われてはいないんだ。



「あんな 渋希 、自分俺の言いたい事わかってへんやろ」

「え?なにが?」

「俺は、 渋希 ならええって言うたんやで?」

「うん。だから、ありがとうって・・・」

「…はぁ、いい加減気付いてくれへん?」

「だから、何を・・・」

「俺はこんな事、わざわざ何とも思うてへん子に言うたりせんよ。…好きな奴にしか言わへんのやけど」

「へ?」

「・・・あかん、伝わってへん…はっきり言うわ。俺は、 渋希 の事が好きなんや」

「う、そ・・・」



叶弥 は、あまりにも唐突な忍足からの告白に、それだけ言うのが精一杯だった。

忍足が私を好き?

そんな事、ありえるの?

でも、忍足ははっきりとそう言った。

これは、夢なんかじゃないよね?



「夢じゃ、ないよね?」

「なんでそうなるんや。俺に好き言われるんは、迷惑か?」

「や、違う。すごく、嬉しい」

「それは、どう言う嬉しいなん?」

「私も、忍足君が好き。ずっと、言いたかったの」



叶弥 のその言葉を聞いた瞬間。

破顔させた忍足は、叶弥 を腕の中に閉じ込めた。

忍足の鼓動がすぐ側で聞こえる。

私にまけないくらい、鼓動が早い。

もしかして、忍足もドキドキしてるの?



「すごい、心臓の音」

「・・・そらな。せやけど、 渋希 の好きな奴が俺でよかったわ」

「気付いてたんじゃなかったの?」

「そんなわけない。俺は、…自分は跡部が好きなんやとおもっとったし」

「なんで、跡部君?」

「あいつ、めちゃモテてるやん。俺なんかとは比べもんにならへんし」

「そうなの?」

「あぁ。せやから、俺やったらどうするって聞かれた時、驚いたわ」

「あはは。急だったもんね」

「チャンスやとも思ったけどな」



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