第1章 Hands
side.名前
「引いた?」
「ううん。私だって生理あるし」
「あのお腹痛そうにしてるやつだよね」
「うん」
私が痛がっていると、
研磨はいつも気遣ってくれる。
「アレ。なんかしんどそうだね」
「しんどいなんてもんじゃないよ」
研磨が苦々しい顔をするから、フッと笑ってしまう。
私の顔を見て、研磨も漸く笑ってくれた。
キュッと研磨の手を握る。
ねえ?
気づいてる?
私はその笑顔が大切なの。
「研磨」
「何?」
「今日、一緒に寝るでしょ?」
「うん」
手を絡めあって眠りにつく。
どんなことがあってもこの手を離したくないの。