第3章 Love
side.研磨
「研磨」
「だから何っ!?」
堪らず顔を上げると、優しい手にふわりと頬を包まれた。
同時に名前の唇が俺の額に触れる。
「…えっ…えっ?何?」
「研磨のしたい事って、こういう事?」
顔に熱が集中する。
「………」
「研磨?」
クロ。
認めるよ。
やっぱりこれは病気だ。
でも名前が悪いんだ。
こんなことするから。
「…名前…もう1回」
「いいよ」
俺がせがむと、名前はもう一度俺の額にキスをした。
「もう1回…」
「おでこでいいの?」
おでこも嬉しいよ。
でも、本当は昨日みたいに…
「…口…がいい…」
「いいよ」
名前を見上げると、柔らかい唇が触れる。
ねえ。
名前。
俺は名前が好きだけど、名前は?
答えがNOでも、俺はもうこの手を離してあげられない。