第1章 Hands
side.名前
私と研磨は数時間違いで生まれたらしい。
誕生日が一緒で、隣の家。
双子だと思ってた。
研磨と兄妹じゃないと知ったのは、いつだったかな?
親同士が親友で、私達が育った環境は特殊。
お母さんとお父さんが2人ずついるような感じ。
高校生に上がる時、私の両親の転勤が決まった。
折角、受験したのに…。
肩を落とす私を見兼ねた両家で話し合った結果、私は研磨の家に預けられることになったのだ。
私は、晴れて音駒高校に通えることになった。
それから1年後。
この生活にもすっかり慣れて、私達は高校2年生だ。
「名前ちゃん。夕飯の支度出来たから研磨呼んできてくれる?」
「はーい」
私は部屋に篭っているであろう研磨を呼びに行った。
研磨はきっとゲームに夢中になっているだろう。
そんな考えが、私と研磨のこれまでの関係を壊したのだ。