第4章 土井半助の場合。
「…中に出してしまった…」
終わったあと1人で焦る土井半助を他所に尾形は少し苦笑いをした。
かきだそうとしていたが尾形がそれも止めた。
『いいの、私が中に出してって言ったから。
もし赤ちゃんが出来ててもあなたには伝えないようにするわ。仕事の支障きたすでしょ』
そう言うと土井半助は、少し怒ってまた頭を軽く殴った。
今度は何故叩かれたのか分からず尾形は困惑していた。
「そういう問題じゃない。順序が違うってことだ。
本当は結婚してから子どもを…」
『いいじゃない。結局結婚するんだし。順番なんてどうでも』
「…」
尾形がそう言うと土井半助は何も言わずに尾形を抱きしめた。