第4章 土井半助の場合。
10分ほど歩くと、懐かしい光景が目の前に拡がった。
土井半助と共に任務をしていた時によく行った街並みだ。
『懐かしいわね』
「私も忍術学園の先生になって、尾形も本格的にフリーのくノ一として動き出して行ってなかったもんな。」
数年前の頃毎日のように通い、食べていた場所に向かう。
「田楽」と書かれたお店に入ると、少し老けたおじちゃんが2人を見るなり驚いた表情で見ていた。
「こりゃたまげた。あんたら久しぶりじゃのう」
『もうずっと来てなかったものね。おじちゃん。いつものと酒くださいな』
「またべっぴんになって、半助!お前も男前になったな!」
「はは、そんなことないです」
よく分かってるわね。と尾形が呟くと再び拳が飛んできて痛そうに頭を押える。その様子を見て店主はげらげらと笑っていた。