第1章 山田利吉の場合。
ゆっくり動けば、ずちゃずちゃと卑猥な音が響く。
少し早くしたり遅くしたり、それによって声が変化する。
『んっ…んむ…きもち…』
「はぁっ…私もです…」
2人で深い深い快感に落ち時間が経つのも忘れ、
この世に2人しか居ないような気持ちになる。
人生で何度か女性を抱いたことがある利吉は、性行為はただの任務のひとつでしか無かった。
しかし、今日は違う。ちゃんと気持ちい。
『なんか…くるっ…』
「私もそろそろ…」
その言葉を合図に少しづつ腰を早くする。
尾形は腰に合わせて声を出している。
そのまま深く深く2人は禁断の時間を過ごした。