第3章 【裏】同室の情事
寝ていたエルヴィンは、案の定部屋のドアがそっと開けられる音で目が覚めた。
レイだ。
リヴァイが部屋に呼び寄せたのだ。
まさかこんなに思った通りにことが運ぶとは、自分も大した策士だな、と感心する。
「あの…兵長…
お隣には団長が…」
ささやくレイ。
すかさず
「こいつは一度寝たら起きねぇから安心しろ」
エルヴィンがもうすっかり目を覚ましているとも知らず、ふたりはなおも小さな声で会話を続けた。
リヴァイ
「こんなになるまで何日も放っておきやがったお前が悪いんだぞ、レイ」
レイ
「だ…だって遠征前は訓練が厳しくてすぐ寝てしまって…
私に厳しくしたの兵長なのに…」
ちょっとふくれるレイを猛烈に可愛いと思うリヴァイ。
リヴァイ
「今日はいっぱい躾けてやらねぇとな…」
「あ…はぁん…」
レイの声がとたんに甘くなる。
隣で聞き耳を立てていたエルヴィンの心臓がギュンと高鳴った。
「始まったか…
聞きたいようで…聞きたくないようで…
いや、でもやはり聞きたくなってしまうレイの啼き声」
心の中でエルヴィンは呟きながら、
自分がかつて猛烈に手に入れたいと思いながらも、手中には入らずリヴァイのものとなったレイの情事に複雑な気持ちを抱く。
もうすっかりレイは裸に剥かれてしまっているようだ。
「隠すな
縛り上げるぞ」
リヴァイの非情な囁きが聞こえる。
「やぁ…ん この間縛られて1週間も手首のアザ消えなかったんですから…」
エルヴィンは思い出した。あれはまだ秋前のまだ少し暑さの残る頃、皆半袖に着替えているというのに、レイだけかたくなに長袖を着続けていた時期があった。
理由を訪ねても歯切れが悪かったのはリヴァイのせいだったか…
合点がいったことへの腹落ち感とともに、口の中を噛んだ時の血の味のような嫉妬心がエルヴィンを包んだ。
「おい、いつもみてぇに懇願しろ…」
「は…ぁあんっ…
リヴァイ兵長…レイを抱いて‥く…ハぁん…ください…」
「いいだろう。悪くねぇ…」
リヴァイはそう満足げにいうと、激しくレイの口内を犯し始めた。