第2章 【裏】怪我後の身体調査 1
ハンジはさして深い意味を持って言ったわけではない。
捕獲した巨人の人体実験や、生身の人間への拷問など、
「ごめんねぇ」
と言いながら、誰よりも嬉々として行うハンジ。
男だとか女だとかではなく、
人型の体への飽くなき興味と言ったところだろうか。
しかし、リヴァイはそうはいかない。
部屋でこんな会話を盗み聞きしていたかと勘違いされるのも嫌だが、男としての欲望の方が断然優ってしまっている。
「さぁ〜〜〜〜レイちゃん〜〜〜!
内ももの歯形もみせてもらうよ〜〜〜〜♪」
と、今にも歌い出しそうな声色でハンジが言う。
「ささっ!脱いじゃって脱いじゃって〜
早く美しい歯形を見せてくれ〜♪」
ハンジの鼻息が荒い。
ハンジは巨人が関わる話となると、もはや常識が通じなくなる…
というよりまぁもともと常識などぶっ飛んだ人だが、
巨人が関わる話になると、もうなりふり構わずと言った様子だ。
「はいはいはいはい〜」
と言いながらレイのズボンのボタンをどんどん外していく。
まさか、とリヴァイが思う間もなくレイが小さく叫んだ。
「ハ…ハンジさん…下着まで一緒に脱げちゃ…
きゃぁ…!」
レイの服の繊維と、おそらくそこに置かれた簡易ベットの繊維が擦れる音がする。
「あちゃー
おパンティーまで脱げちゃったねー。
ちょっと乱暴に脱がせすぎちゃったね、
ごめんごめん。
でも、面倒だからこのまま、続けさせてもらうよ」
トンデモ発言が次々飛び出す。
「ハンジさん、ちょっと恥ずかしすぎます。
本当に…」
「んー」
さっそくその歯形のデッサンを始めているハンジはもう上の空。
「相変わらずハンジはどうしようもねー奴だな」
リヴァイは半分呆れながらも、
また先ほどのように、実況中継が始まらないか期待し始める。