第2章 【裏】怪我後の身体調査 1
壁外調査開始。
突然の雨。それも土砂降り。
予報では、この1週間は雨は降らないだろうとされていたのに、とんだ誤算だ。
案の定、煙弾は着火せず、索敵陣形は大雨により崩れ始めた。
豪雨で巨人の足音も聞こえないほどだったが、長年の勘からリヴァイは、巨人が出てきそうな予感がすると思ったその時だった。
木の影から突如出てきた巨人が前方のハンジ分隊のうちの一人を掴んだ。
しかし、あまりに突然音もなく起こったことで、そのことに気付く隊員はいないようだ。
あっという間に巨人はその大きな口を開け、ひとりの隊員を食らおうとしている。
「クッソ
間に合わねーか」
まだまだ数百メートル先で起ころうとしている惨劇に、リヴァイは悔しさを滲ませる。
一縷の望みをかけてリヴァイはそのまま馬をはしらせた。
すると、巨人に数カ所噛まれ流血しながらも、なんとかブレードで巨人の口をこじ開けて持ち堪えているではないか。
「やるじゃねぇか
今助けてやる」
そう心の中で呟くと、勢いよく立体機動装置を作動させ、巨人のうなじを削いだ。
その間、コンマ0.5秒ほど。
巨人はリヴァイの存在に気付く間もなく絶命した。