第37章 FRIENDS

交友関係が広いなぁ、と狭い通路を抜ける。

大きな景品に歩き辛そうなルフィに声にかける。
「荷物、持とうか？」
「大丈夫だ！」
そういいながら、なんとか上手く持てないか悪戦苦闘している。
「落としたら壊れちゃうよ。リュックの方だけでも持つよ？」
「うう、じゃあ頼む」
一度、景品をジウに預け、肩からリュックを下ろすルフィ。荷物を交換すると、よいしょ、と背の方に景品を回して肩口で手提げ袋の取っ手を掴む。

あちこち歩き回る2人は、お菓子落としや小さな景品のクレーンゲーム、カーレースなど散々楽しんで、ピタリと立ち止まると、後ろのシャンクスとジウを振り返った。

「「おなかすいた～」」
「はしゃぎ過ぎだ、ふたりとも」
「「だってぇー/だってよぉー」」
仕方のない奴らめ、と嘆息するシャンクスと二人のやり取りにクスクスと笑うジウ。
「夕食には、少し早いかな？」
夕方とも夜とも取れぬ半端な時間。
シャンクスに確認を取ると、ルフィが声を上げた。
「ハウスだと、いつもこのくらいの時間に食べてるぞ」
二人とも、まだ小学生。それなりに規則正しく生活しているようだ。

「ねえ、シャンクス」「なんだ？」
ウタに手を引かれ、しゃがみ込んだシャンクスの耳元に口元を寄せる。
「ああ」「ほんと？」
やった、と嬉しそうに笑ったウタがジウにすり寄った。
「なに？」
首を傾げたジウを見上げ、ニコッと笑う。
「ジウのご飯食べたい」「え？」
パチパチと瞬いてウタと見つめ合う。
「お店のご飯じゃなくていいの？」
「ジウのご飯、美味しかったもん」
おねがーい、と見上げるウタ。

「ジウのメシ、うまいのか？」
「ああ、びっくりするぞ」
ルフィとシャンクスの会話に慌てるジウ。
「ちょっと！ハードル上げないでっ、いつも作るのなんて簡単な料理ばかりじゃない」
「そうか？割と手が込んでるものを作ってると思っていたが、」
「それはあなたがほとんど料理しないからでっ」
「ジウが作ってくれたチャーハン、美味しかったよ？」
なぁ、と同調するシャンクスに、うん！とウタが頷く。
「ルフィくんは、お店のご飯じゃなくていいの?」
「肉が食えたら何でもいいぞ！」
「あ、そうなの」
それでいいなら、と頷いたジウにスーパーへと向かった。