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依々恋々 -Another story-

第37章 FRIENDS



「「シャンクスー!!」」
広い改札に響く甲高い子ども独特の高い声。
「叫ばんでも聞こえる」
ガシッと左右からしがみつかれてもぶれない脚で、左右の低い位置にある頭を雑に撫でる。

「ジウさーん!」
少し遅れて改札を抜けたマキノが持つ荷物に、ジウが慌てて駆け寄った。
「一人で持ってきたのっ?!」
「え?ああ、でも駅まではタクシーだったし、座席ついちゃったら、ね。あ、こっちがルフィくんとウタちゃんの荷物」
もらうよ、と女性が持つには少し大きめのスポーツバッグと紙袋を引き取る。
「重たっ。え、何が入ってるの!?」
「えっと、バッグは二人の着替えと宿題。紙袋は社長さんとジウさんへのプレゼントに、ウタちゃんの楽譜とルフィくんの武器...」
「武器っ!?」
「あ、水鉄砲と光る剣だと思う」
なるほど、と苦笑いして荷物を担ぎ直そうとすると、ひょい、と背後から取り上げられる。

「乗換駅まで車、出してやればよかったな」
悪かった、とジウから荷物を取り上げたシャンクスに、いいえ!とマキノが首を振る。
「どちらにしろこの駅まで来る予定だったので」
「迎え、来るのか?」
「はいっ。お願いしちゃいました」
少し照れ笑うマキノに、なら安心だな、とシャンクスは頷いた。

「ねー!まだぁ?」「俺、腹減ったぞ!」
リュックを背負ってピョンピョン跳ねているルフィとウタ。
「二人のことは、任せていい。待ってるんだろう」
「なにかあったら、連絡するね」
頷くシャンクスと微笑むジウにお礼を言って、マキノは早足に駅の出口へ向かった。
「エース、さんだっけ?」「ああ」
出口で辺りを気にしたマキノが、タッと駆け出して人混みに消えた。

「きっと素敵な人なんだろうな。マキノちゃん、恋する乙女って顔してた」
「いつか会えるタイミングがあるかもな。エースは白ひげのもとにいるから」


「「シャンクス〜!ジウ〜!まだぁ/まだかぁ?」」
今行くっ!と答えるシャンクス。
驚いて振り返ったジウの手を取って荷物を掛け直すと、行くか、とゆっくり歩き出した。
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