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合同リレー作品集【鬼滅・呪術・ヒロアカ・WB】

第2章 【呪術】思い出は薄氷の上に



奈緒は夏油や美々子達の待つ…否…
家族が待っている自分の居場所へと急いで帰る。


七海に話を聞いてもらって時間があっという間に過ぎ、空はすっかり茜色に染め上げられていた。



勝手に出てきてしまって心配をかけているかもしれない。
はやる気持ちとは裏腹に帰り道がいつもより長く感じる。

奈緒は、門前まで来ると立ち止まった。





「…おかえり。もう帰ってこないかと思ったよ」



夏油は奈緒の帰りを心配していたかのように門前にもたれ腕を組んで立っていた。奈緒が帰ってきたのを見ると、一瞬驚いた素振りを見せたがすぐにいつもの笑顔を浮かべる。




「夏油さん……」


「もうすぐ暗くなる。美々子も菜々子も君がいなくなって心配していた。行って安心させてあげるといい」


そう奈緒に告げると、夏油は距離を取るように背を向け建物内へと入っていく。


奈緒は昼間のやりとりを思い出した。
夏油さんや美々子の言葉が今でも鮮明に脳裏に浮かぶ。
『非術師はサル』と言う考えを肯定したわけじゃない。
それでも、自分が帰ってくるのを外で待っていてくれた。


夏油の優しい気持ちに、あの時…七海に事情を話して一緒に行かずに済んでよかったと心底思い、背を向けた夏油を追うように言葉をかける。


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