第4章 おらふくんの場合
⛄「ただいま〜」
⛄「ちょっと遅くなっちゃったから、ユメの好きなおやつ買ってきたで〜」
「にゃあ〜ん」
⛄「え、急にどうしたん? ユメ」
「にゃにゃ〜ん」
⛄「……にゃにゃ〜ん?」
「にゃあにゃあにゃあ」
⛄「にゃあにゃあにゃあ……?」
「にゃにゃにゃっ!」
⛄「いった! えっ、なんで引っ掻かれたん、僕?」
「ふしゃー!」
⛄「え、怒ってるん? なんで?」
「にゃっ」
⛄「あ、ユメ、どこ行くん……って」
⛄「なんか知らん内にめっちゃ散らかっとらん?」
⛄「これユメがやったん?」
「ゴロゴロ……」
⛄「今度はそんなところで昼寝でもするん?」
ムギ・ソラ「「にゃ〜」」
⛄「あ、ムギソラ」
⛄「聞いてよ〜。ユメが猫みたいになっちゃったんよ」
ムギ・ソラ「にゃ?」
⛄「ほら見てみ? ムギソラのお昼寝の場所、ユメに取られちゃったよ」
「にゃあお!」
⛄「え、ユメ?!」
⛄「さすがに人間のユメはキャットタワーに登るのは危ないって!」
「フシャー!」
⛄「ちょっと、さっきからそれだけじゃなんで怒ってるのか分からんって……」
ムギ「にゃあ〜」
ソラ「んにゃあ」
⛄「ムギ? ソラ? ユメに近づいて何を……」
「にゃあ〜……」
⛄「あ、ユメが大人しく下りてきた」
「ふにゃあ〜……むにゃむにゃ」
⛄「え、ユメ……?」
「にゃ〜……Zzz」
⛄「ムギソラと一緒に丸まって寝ちゃったなぁ」
⛄「可愛ええなぁ……写真撮っても怒られんやろか」
カシャッ。
のちにユメはその写真で、自分が猫になっていたと知るのだが。
⛄「もうちょっとこうしててもええよな?」
幸せな時間が流れたのだそうだ。