第1章 ドズルさんの場合
🦍「ただいま〜」
ガチャ……。
🦍「遅くなってごめん」
🦍「今度行くレストランの予約をしてきたから……」
「にゃあ〜ん」
🦍「え、急にどうしたの……?」
「にゃにゃ〜ん」
🦍「あはは、どうしたの?」
🦍「まるで猫みたいに甘えちゃって……」
「にゃあ〜」
🦍「そっかそっか、今日は猫みたいに甘えたい日なんだね」
🦍「ちょっと待ってて、今外から帰ってきたばかりだから」
🦍「手洗ってくるね……」
「にゃあっ!」
🦍「え……」
🦍「本気で引っ掻いてくるなんて……」
🦍「僕がユメのことをあんまり構わないから?」
「ふしゃー!」
🦍「今度は怒ってるんだよね……?」
🦍(にしても、人間ってこんな声出せたんだ……)
🦍(本当に、リアルな猫みたいな……)
🦍「あ、どこ行くの……?!」
タッタッタッ……。
🦍「え、リビングがこんなに散らかってる……?」
🦍「普段のユメなら絶対こんなことしないのに……」
🦍「ねぇ、どうしちゃったの、ユメ……」
「ゴロゴロ……」
🦍「今度は猫みたいに喉を鳴らしてる……?」
🦍「なんか変じゃない?」
ガサッ……。
🦍「これは……」
🦍「見たことのないお菓子の袋だ」
🦍「家にこんなのあったっけ?」
🦍「……一日だけ猫になれるキャンディ?」
🦍「まさか、ユメ……」
「にゃあおっ!」
🦍「ちょ、ユメ、そんなところに登ったら危ないよ!」
「フシャー!!」
🦍「いった! また引っ掻かれた……」
「にぁ〜!!」
🦍「あ、待って待って、ユメ!」
「にゃにゃ〜ん……!」
🦍「これは爪を切って置かないと……」
なんだかんだ(?)猫になった彼女を許したドズルさんでした☆