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【マッシュル】となりの剣使い

第2章 レイン・エイムズと初デート


「人が多い。はぐれないように気をつけろ」

「だ、だからっていくらなんでも近くないですかこれは??」

私は実家付近の商店街をレイン先輩と腕を組みながら歩いていた。
そのせいで『邪なことは考えないようにしよう』と誓ったはずの私の決意は即決壊することとなった。
どうしてこんなことになっているのか……それは数日前に遡る。












入学してからそれなりに時間が経ち、学校生活にも慣れて来た頃。
レインとはあれ以来おかしな距離感になることもなく、ごく自然にお互いの仕事を進めている。というか忙し過ぎて余計なことを考えてる余裕が多分お互いにない。

クラスでは私たち3人の仲間たちにはいつの間にかランスくん、ドットくん、レモンちゃんを加えるようになりどこへ行くにも騒がしくなっていた。
次の休日にどこか遊びに行かないかという話になり、私は実家を紹介することに。

「私の実家、商店街にあるんだけど……よかったらみんなも来る?」

「行きたいです!」

そんなわけで、週末に商店街へ行くことが決まった。



その日の放課後、私が部屋で仕事をしているとレインから声がかかった。

「お前の報告書、ジジイが褒めてたぞ。ここまで細かい学生の情報を把握しているのはすごいと」

「普通知り得ないところまで見えますからね。役に立ってるなら嬉しいです」

「ああ、いつも役に立っている。ありがとう」

そう告げるレインを見て私は少しほっとする。
私が来たばかりの頃のレインといえば、深夜に帰宅して早朝に飛び立っていくという人外じみた生活をしていた。
それで言うと最近はベッドで眠っている姿をよくみるし、彼の負担を少しは減らせたのかと思うと嬉しくなる。

「お前のおかげで週末に休みが取れそうだ。そこで礼もかねて出かけないかと思ってな。どこか行きたいとこはないか?」

「週末ですか? うわーごめんなさいついさっき予定が入ったところで……みんなとうちの実家に行くんです」

「実家? そういえばお前の家は商店街にある魔法道具屋だったよな……」

レインは何やら考えるように口元に手を当てる。

「それ、俺も行って良いか。一応俺は魔法道具管理局の局長だからな。商店街の店も見ておきたい。……もちろん、お前たちの邪魔はしない」

「改めて言われるとすごい人ですよねレイン先輩って……。もちろん私は大歓迎です!」
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