第8章 人魚姫は脚をもらう
夏油sideー
あれから丸2日夏梨は目を覚まさない。
一応時間が空いている時は治療室に足を運んではベットの横で眠る彼女の顔を眺める。
それにしてもあの男は何者なんだ…?彼女の母親を知っているのだろうか?なぜ特級に変えれるのか
疑問点は沢山ある。
家入「診察の時間だ。あっちいってな」
夏油「あぁ。」
私と彼女の間にカーテンが閉められる。
しばらくして中から声が聞こえてきた。
家入「お、夏油。起きたぞ」
っ?!その言葉を聞いてすぐに彼女の傍に駆け寄る
私は彼女のこととなると随分冷静さを欠くらしい。
あの悟にも諭されるくらいには…。
そんなやり取りをしていると彼女の顔が青ざめていく。
「ご、ごめんなさい!!私、失敗して…それで‼️でも特級で!あぁ。どうしよう。男の子は?!ごめんなさいごめんなさい!!怒らないで‼️嫌いにならないで!お願い!!!見捨てないで、傑ッ!!!!」
悟と硝子が見えていないのか私の制服に縋り付くように謝る彼女を見て背徳感を覚える自分に嫌気がさす。
夏油「大丈夫。嫌いになんてならないよ、怖かっただろうによく頑張った」
そう言いながら背中をさすってやると落ち着いたのか再び眠ってしまった。このまま私無しでは生きられないようになってしまえばいいだなんて思ってしまうのは私がおかしいのだろうか?
家入「見捨てないで。か…こりゃ相当だな…」
五条「なぁ、夏梨いつもこんな事思ってんのかな?」
夏油「何はともあれ目が覚めて良かったよ」
家入「おい、夏油。好きと依存は違うぞ、間違えるなよ」
五条「俺も同感。そもそもコイツにはお前だけじゃなくて俺達もいるっつーの!」
夏油「別に私はそういう感情じゃ…」
家入「どうとでも言ってろ〜…。ただ夏梨をあまりダメにするな」
硝子は相変わらず鋭い。私だって道を間違えないように気をつけるさ。