第7章 熱帯魚
夏油sideー
最近の夏梨はよく頑張っている。10日間で学力を中3レベルまであげたのは流石に驚いた。中3の中でも頭のいい部類に入るのではないだろうか?それを10日でだ。
朝4時に朝トレをしているようだし…。ちゃんと寝てるかと聞いても大丈夫の一点張り。
ほんとに手がやける…。
今日は特に体術を教える約束はしていないが、私も早く目が覚めてしまったので様子を見ようと外に出てきたのだが…。
何やら様子がおかしい。
異常にふらふらしている。
これは…まずいか?
ドサッ-
?!
やっぱり!
夏油「夏梨?!」
急いで駆け寄って横抱きにする。
そのまま硝子の部屋まで急いだ。
コンコン-
家入「なんだよ、こんな朝早くから…」
硝子は眠たい目を擦りながら部屋の扉を開ける。
次に私の腕の中を見てやっぱりかと呟いた。
夏油「大丈夫なのか?」
家入「多分、寝不足だよ。そのうち起きる。この様子じゃ10日間はまともに寝てないだろうね」
夏油「10日?!」
今日は休ませた方がいいと言うことで、夏梨を部屋まで運んでベットに寝かせてやる。
何故そんな無理をするのか、聞いたところで答えてくれるだろうか。
しばらく眠っている様子を眺めているとうなされてるようだった。
「おか…さん…ごめんなさい…ごめんなさい…」
目尻にいっぱい涙を貯めて、その涙を人差し指で拭って手を繋いでやるといくらかマシになったのか、すやすやと寝息を立て始めた。
はぁ…この子の呪いは厄介だな…