第13章 能力者。
こんなに小さいのに戦わされるんだなと思った。
可哀想だなと、同情はするが奏太を殺した犯人の1人には間違いはないから何もすることはできない。
それにしても、どうやったら殺すことができるんだろう。
多分、能力者は俺たちみたいに普通の人間だ。きっと急所を突けば簡単に死ぬだろう。
でも、その前に近づけないんだよな。
と考えてたら、草がものすごい勢いで来る。俺は、それを予想してたかのように、サッと屈んで避ける。頭上に草が通る。
その草はそのまま、まっすぐに行き、俺の前にいた炎の能力者に当たる。
「っ!!!おい!!!離せっ!何してんだよ!!!」
と炎の能力者が暴れる。
「ごめん!でも、何故か力が制御できない!!」
炎の能力者が動けなくなってる。
今が、チャンスだ。
俺は、炎の能力者の元へ走って行き、
草の能力者の草で炎の能力者の首を絞めた。
「かはっ……!ぁ…ぁ…。」
苦しそうにもがいている。良心が傷んだが、仕方ないことだとさらに首を締める手を強くする。
何分かすると、炎の能力者は目を閉じてぐったりとした。
「………ごめん。」
と言った瞬間、炎の能力者の体から草が退く。振り返ると、草の能力者がバタッと倒れていた。
「………。」
殺ったのは藍子のようだった。得意の足蹴りで首を折ったのだろう。
2人死んだから、残るはもう2人。